七十二候とは、二十四節季をさらに三つに分け、季節を細分化した暦として使われてきました。その微細な表現から、農耕期として使われてもいます。日本の四季は緩やかに日々移ろっています。これは食材の旬にとっても同じで日々変化します。そんな日々刻々と変わる食材の最も旬の瞬間を、自分の考える最高の一皿で表現し、コースを通して時期折々の日本の京都を感じて頂きたい。そんな思いから「七十二候」をテーマに据え、日本の京都でしか表現できない一皿を、シェフズ・テーブルで表現しています。
ヘッドシェフ
井上勝人
京料理の歴史と共においしく進化してきた朝採れの京野菜や、生産者がこだわりを持って育てた野菜に加え、廃棄物ゼロの観点から、余剰野菜を使った自家製パンや、通常市場に出回らない未利用魚も、腕利きの漁師・仲買人の協力も得て、卓越した技で極上の料理に仕立てます。
また、社会的なテーマも要素として取り入れる事で、インスピレーションが生まれ、新たな提案が形作られます。端野菜を使った自家製パンや余剰部位を余す所なく料理に組み込むなど、シェフ自身が持続可能な食と京都に伝わる始末の心を常に意識し続けています。そこに、様々な国や地域で培ってきた技術が合わさる事で、新たな一皿となって表現されます。
日本の歴史や文化を表現する上で、とても重要な食材である「米」。日本人にとって米はとても重要な食材であり、日本の食文化を表現する上で、無くてはならない食材です。様々な国の食文化に触れ、研ぎ澄まされた創造性と日本の米が合わさる事で、季節の機微を表現し、新たな米の文化を提案しています。